ウォーキングのすゝめ

歩くことは、病気の予防になるだけでなく、認知機能低下のリスクを下げることにもなると言われています。歩くことは身体の健康だけでなく、心の健康の手助けにもなるのです。このことは、歩行機能が低下し、歩けなくなってしまった高齢者は、部屋に引きこもりがちになり、うつ状態や認知症を引き起こしやすくなるというエピソードからもわかります。さらに、年令を問わず、歩かなくなると足の筋力が低下し、転倒しやすくなるとも言われているので、自分の足でしっかりと歩く習慣を身につけることは、とても大切なことなのです。

ところで、通勤や通学をしている若い世代は、意識しなくても歩く機会は多いかもしれませんが、高齢者の場合はそうは行きません。ですから、高齢者が自分の足で歩くことを習慣づけるためには、ウォーキングをおすすめします。ウォーキングは生活習慣病の予防に効果があるだけでなく、高齢者に多いロコモティブシンドロームやサルコペニアの予防にも有効です。ロコモティブシンドロームとは、加齢によって運動器の機能が衰え、介護が必要になったり、寝たきりになってしまったりすることで、サルコペニアとは、加齢により筋肉量が減少した結果、身体機能が低下することを言います。ですから、ウォーキングをすれば、筋力をつけることができ、身体機能の低下を防ぐことができるというわけです。

それから、ウォーキングをすると、人や自然と触れ合う機会が増えるので、脳が適度な刺激を受けることができます。それに、ウォーキングによって適度な疲れを感じると、心地よい睡眠を取れるようになるので、イキイキと過ごすことができたり、メリハリのある生活を送ったりするのにもつながります。ですから、高齢者の寝たきりを防ぎ、認知症リスクを下げるためには、自分の足で積極的に歩くことが大切なのです。